<挨拶文>
コマイぬをやっております芝原と申します。
この公演チラシという場をお借りして少しお話をさせて頂ければと思い、筆を取らせて頂きました。
恐らくは、この文章を読んで下さっている方は、表の写真を見て「これ何?」とお思いになって、この裏面をご覧になられていると思います。
お察しの通り、表の写真は今年の5月のGWに、東京の友人が石巻に遊びに来てくれた際に、隣町の女川町で撮った写真です。
比較的最近の様子です。
時間は着実に経過しているのに、まだ向こうにはこういう景色が沢山あります。
この<コマイぬ>の目的の一つに、“今の石巻を知ってもらう”という事があります。
理想は、石巻での公演に東京からも足を運んで頂いて、お客様に石巻を直に見て頂ければそれが一番嬉しいのですが、生憎まだなかなかその様な機会を作る事が出来ない中で、少しでも石巻を知ってもらうためには・・と思い、今回、この様なチラシを作る事を決めました。
この様な形は、人によって受け止め方は違うでしょうし、ご批判も真摯に受け止めますが、同時にそれだけの想いもあるという事も、ご理解頂ければ幸いです。
今回、これらの作品を選んだのは、単に「面白い」と思ったから、「石巻の人にも楽しんでもらえる」と思ったから、というだけの理由でした。が、後から知ったのですが、この3本は、関東大震災の翌年1924年~1926年に書かれた作品でした。
きっと今以上に復興というものに時間がかかっていた時代に書かれたこれらの作品に、岸田先生がどんな想いを込められたかは分かりませんが、きっとこれらの作品を観て、笑ったり、ホロッとしたり、「そーだよなー」なんて納得したりして、元気を与えられた人々が当時も居たのかなと思うと、今、自分がこの作品たちをやろうと思うことは、必ずしも的外れではないのかなとも思います。
石巻の人たちに喜んでもらえる作品を創る為、どうかご覧頂き、ご意見頂戴出来れば幸いです。
(フライヤー掲載のまま)